名水百選
秦野盆地湧水群
市民共有の貴重な財産(神奈川県秦野市)
秦野市は、神奈川県西部に位置し、丹沢山地から発する河川によってできた扇状地地形の盆地です。地下水盆と呼ばれる地下構造によって、昔から地下水に恵まれています。この天然の水がめである秦野盆地には、約 2.8 億トンの地下水があり、これは箱根の芦ノ湖の約1.5 倍にもなります。秦野名水の水質について、「護摩屋敷の水」に代表される山の湧水は、ミネラルの少ない軟水です。地下水盆の中の地下水や時間をかけて地表に湧き出る「弘法の清水」は、地下水のミネラルを取り込んで中程度の軟水です。
健全で持続可能な水循環の創造
環境省選定名水百選に選ばれている秦野の地下水は、水道水の約70%を賄っています。この名水は、自然に任せるだけでなく先人達が守り、育てる努力を怠らず、渇水や汚染に対する創意工夫を重ねてきたおかげで、市民共有の財産として名水の誉れを維持しています。秦野市では、市民の誇りである秦野の名水を有効活用かつ持続的に利用していくため、秦野市地下水総合保全管理計画を策定し、市民・事業者の皆様との協働による健全な水循環の創造に努めています。