雨雲当番ポタン
エピソードを選ぶエピソード1: 雨はどこへ行く?
(3)水のわっか
山のふもとの川へ行くと、かわらで日向ぼっこをしている川の仙人に出会いました。
3人が雲のかけらのことをたずねると、
「わしがひとつ持っておるぞ」とポケットから出して見せてくれました。
「ボク、雨雲当番のポタン!おじいさん、その雲のかけらをちょうだい!」
雲とりぼうをくるくる回してお願いするポタンに、川の仙人はきびしい声で
「ずいぶんたよりない雨雲当番じゃ。お前さん、“しれん”を乗りこえられるかね?」と聞きました。
雲のかけらは、水の世界のひみつを知る者にしかあたえられないと仙人は言います。
「ひみつを知っているかどうかを、“くいず”ではんだんする。これが“しれん”じゃ。」
川の仙人はそう言うと、「では、わしからのしれんじゃ。」と告げました。
我が国の降水量は年間1,690mm と、世界平均の約2倍となっています。しかし、狭い国土に人口が多く、一人当たりの降水量は世界平均の3分の1程度です。
また、降水が梅雨期、台風期、降雪期に集中するなど、気象に大きく左右されるほか、地形が急峻で短い河川が多いため、降った雨のかなりの部分が短時間のうちに海へ流出してしまうなど、水資源を利用するには不利な条件にあります。我が国では、このような条件のもとで、水資源を確保するためにさまざまな努力を重ね、豊かなくらしの礎を築いてきました。