雨雲当番ポタン
エピソードを選ぶエピソード5: めぐる水
(2)水のようせい
3人は、川が海へと出会うところまで流れていきました。
楽しそうに水遊びをする子どもたちを見ていると、
「ポタン!ポタンじゃない!!やっと見つけたわ!!」と声がします。
ふり向くと、水のようせいが立っていました。
「あ、ようせいさん!」とポタンは声を上げ、水のようせいにだきつきました。
「ボク、まいごになって、それからアサガオの葉っぱの上で泣いて、
それから結衣ちゃんと陽太くんにまほうをかけて、それからお手伝いをお願いして…」
泣きながら話すポタンの頭を、水のようせいはやさしくなでました。
「一人ぼっちにさせて、ごめんなさいね。もっと早く見つけてあげられたらよかったのだけど。」
ポタンはなみだをふいて、
「すごく不安だったけど、結衣ちゃんと陽太くんが助けてくれたんだ。」と言いました。
「あらそうだったの。結衣ちゃん、陽太くん、ポタンに力をかしてくれて、ありがとう。」
水のようせいにお礼をいわれて、結衣と陽太は照れたように顔を見合わせました。
それから3人は、これまでの旅のことを水のようせいに説明しました。
水のようせいはうれしそうに、
「みんなで力を合わせて、水の世界の大事なことを学んできたのね。」とほほえみました。
「水は昔から、世界にほとんど同じ量しかないのよ。それがぐるぐるめぐっているの。この川にも、
陽太くんと結衣さんのごせんぞさまが飲んだり使ったりした水が流れているかもしれないわね。」
水のようせいはそう言うと、ひときわ大きな雲のかけらを取り出しました。
「雨雲をつくるためには、わたしたち水のようせいだけが持っている、
この雲のかけらが必要なの。最後のしれんは少しむずかしいから、よく考えてね。」