雨雲当番ポタン
エピソードを選ぶエピソード6:水をうまくつかう
(1)みんなで分けあう
ポタンたちの物語を読んだみんなは、自然の中をぐるぐるめぐっている水を、
うまく使うことが大切だと気づいたでしょう。
わたしも旅のとちゅうで、水をうまく使うちえを見つけたのよ。
左の写真は「三分一湧水」(さぶいちゆうすい)といって、
農業で使う水を3方向に同じわりあいで分けるためのもの。
右の「円筒分水工」(えんとうぶんすいこう)は、つつから出てくる水が多くても少なくても、
同じ量に分けて流すことができるんだって。
三分一湧水ににたものは、今から500年近くも前の戦国時代からあったそうよ。
わき水の近くや川上に住む人たちが水を一人じめしてしまったら、川下の人たちはこまってしまうから、
工夫をしてみんなで分けあいながら使っていたのね。
水を分け合う知恵
古くから稲作を営んできた日本では、稲作に欠かせない水を巡って、水争いが頻発してきた歴史があります。こうした水に関する争いを平和的に解決するため、日本では、分水枡、円筒分水工などの分水施設や番水制度などの優れた渇水調整の技術が発展してきました。
写真左:三分一湧水(山梨県北杜市)
写真提供:北杜市
農業用水を均等に配分するための施設。戦国時代、下流の村に農業用水を均等に配分するため、分水枡に三角石を置き、三方向に流水を分岐させたと伝えられています。三分一湧水は周辺の湧水とともに八ヶ岳南麓高原湧水群として環境省の名水百選に選ばれています。水温10℃の水が1日約8,500m3湧き出ています。
写真右:円筒分水工(富山県魚津市)
写真提供:魚津商工会議所
農業用水を公平に分配するための施設。中央の円筒状の水槽から溢れ出る水が各水路へあらかじめ決められた配分比率に従い分配されます。水量が多いときも少ないときも配分の比率は変わらず、仕組みが明白であるため、水を公平に分配できる施設として、大正時代から全国各地に建設されました。
出典:『日本の水』国土交通省水管理・国土保全局水資源部